お元気ですか?荒川区議の大月です。

沖縄県というと、多くの人が「青い空」「青い海」「温暖で過ごしやすい島」という印象を持つのではないでしょうか。私自身も、穏やかな自然に囲まれ、子どもたちがのびのびと育っている地域を想像しておりました。
1.沖縄の現状
現地を訪れ、「子ども若者みらい相談プラザ ソラエ(以下、ソラエ)」の取り組みについて伺う中で、沖縄県が抱える現実の課題に強い衝撃を受けました。
統計によれば、沖縄県は小学生の不登校率が全国1位、中学生が8位、高校生が10位と高い水準にあり、さらにひきこもりの割合も全国1位とされています。自然環境に恵まれた地域でありながら、子どもや若者の社会的孤立が深刻化しているという現実は、私たちが抱く「南国の明るいイメージ」とは大きく異なっていました。
2.ソラエ設立の経緯と目的
ソラエは、平成26年10月に那覇市で開所した、沖縄県の「子ども・若者育成支援推進法」に基づく総合相談センターです。対象は概ね0歳から39歳までと幅広く、ニート、ひきこもり、不登校など、社会生活を営む上で困難を抱える子ども・若者を支援することを目的としています。
ソラエの特徴は、教育・福祉・医療・雇用など複数の分野を横断した「ワンストップ支援」を実現している点にあります。臨床心理士、公認心理師、社会福祉士、キャリアカウンセラーなど、異なる専門性を持つ相談員がチームを組み、問題の本質を多面的に把握しながら、支援計画を策定しています。単なる相談機関ではなく、本人・家庭・地域をつなぐ「支援のハブ」として機能していることが印象的でした。
3.沖縄が抱える背景要因
なぜ、豊かな自然と文化を持つ沖縄で不登校やひきこもりが多く発生しているのか——この点について、ソラエの松本総括責任者に伺いました。
背景には、歴史的・経済的・家庭的な複合要因が絡み合っています。まず家庭環境においては、離婚率が全国1位と高く、シングルで子育てを行う家庭が多いこと、また経済的困難を抱える世帯が少なくないことが指摘されました。離婚していなくても、親が働かない家庭が存在するという話も伺いました。中には祖父母が働かず、その姿を見て育った世代が「働くこと」に対して意欲を持てなくなるケースもあるそうです。
こうした状況の背景には、戦時中の本土からの断絶、戦後の米軍統治、そして高度経済成長期に取り残されたという歴史的経緯があるといいます。基地を抱える地域では、土地の賃貸収入に依存した生活も一部にあり、働かずとも一部の生活費が賄われるという構造的課題もあるとのことでした。
4.ソラエの支援の実際
ソラエの支援は、単に子どもや若者本人に向けられているわけではありません。むしろ、保護者支援の重要性が強調されていました。本人が来れないケースも多く、最初に相談に訪れるのは保護者であることが少なくないそうです。
担当者は「お子さんの場合は、説教は逆効果。大切なのは、どう褒めて、どう共感するかです」と話されていました。感情的に責め立てるのではなく、子ども自身の気持ちを尊重し、少しずつ「外に出る力」を取り戻す支援を行っています。
また、経済的困難が不登校の背景にあることも多く、アルバイトを始めた高校生の賃金を家庭が生活費として使ってしまうといった事例もありました。家庭の貧困が、子どもの自立や学びの意欲を阻害する現実が浮き彫りになりました。
ソラエでは、一人ひとりの背景を丁寧に把握し、必要に応じて医療、学校、福祉機関、就労支援機関などと連携して、長期的な伴走支援を行っています。支援には時間がかかりますが、「心をほぐし、信頼関係を築くことが第一歩」という姿勢が一貫していました。
【②に続く】