あら瓦版 (大月たけひろ)

国民民主党 荒川区議会の活動について

【視察①:津市】荒川区で検討している「公契約」、既に導入している津市に視察して参りました。

お元気ですか?荒川区議の大月です。

津市役所

現在、荒川区でも導入を検討している“公契約”を、既に導入しているが三重県津市を訪問・視察してまいりました。

津市といえば、日本のほぼ真ん中に位置し、県庁所在地でもある三重の中心都市です。
ところが、「津(つ)」という名前に秘められた意味と、そこに息づく地域経済の哲学に、私は思わず深く考えさせられました。

■「津」という名前に隠された歴史
「津」は、古くは港や渡し場を意味します。
実際、かつては「安濃津(あのうのつ)」と呼ばれ、中国との貿易港として栄えていました。坊津(鹿児島)や博多津(福岡)と並んで「日本三津」のひとつに数えられたほどの重要な港です。
しかし現在の津市は、地図を見ると両サイドを海に囲まれた形をしています。なぜ「津」という名前なのに、海に挟まれているのか?
実はこれは、平成18年の大合併の結果でした。津市、久居市、河芸町、芸濃町、美里村、安濃町、香良洲町、一志町、白山町、美杉村――2市6町2村がひとつになって、現在の津市が生まれたのです。
なるほど、これで地形の謎も納得。津市は“港町の歴史”と“内陸の産業”の両方を内包した、まさに「地域の縮図」のような街なのです。

■あの「ベビースターラーメン」のふるさと
全国的に有名なのが「おやつカンパニー」さんは津市にあるそうです。
そう、あの「ベビースターラーメン」を生み出した会社です。子どもの頃、袋を開けて机の上にこぼしながら食べた記憶がある方も多いのではないでしょうか。
三重の地から全国へ広がったスナック文化。何気ないお菓子にも、地域の産業力と創意工夫が息づいているのだと改めて感じました。

■ボートレース津、そして財政への貢献
もう一つ、実は「ボートレース」場があるそうです。
全国で最も古いボートレース場の一つであり、ここから得られる収益が市の財政に大きく寄与しているそうです。
私はなぜかギャンブル運がないタイプなので(笑)舟券を買ったことはありませんが、自治体にとってこのような「自主財源」を確保できる施設は実に大きい。
ある“レジェンド議員”が「津市が羨ましい」と言っていました。
ただし、レジェンド議員は、どうやら財源というより、ボートレース自体が羨ましい感じでした。

■津市が「公契約条例」をつくった理由
さて、今回の視察の主題はここからです。
津市では平成30年(2018年)4月から「公契約条例」を施行しています。
この条例の目的は、公共事業の入札での“過度な価格競争”が、働く人の賃金や労働条件を悪化させてしまうことを防ぐことです。
思い返せば、日本経済はこの30年、デフレの波に苦しんできました。
「安ければいい」という発想が、結果的に現場の労働者を苦しめ、地域の企業力を弱めてしまう。
津市はそうした悪循環に歯止めをかけようとしたのです。
条例では、市が発注する工事・業務委託・製造契約などを「公契約」とし、その中でも建設、清掃、警備など“人の力”に依存する業務を「特定公契約」として定めています。
受注する企業は、労働基準法や最低賃金法などを遵守し、適正な労働環境を守ることが求められます。
【続きます】