お元気ですか?荒川区議の大月です。

決算特別委員会では「DXを早く推進すべき」という意見も出ました。DX化そのものを進めることは私ももちろん大賛成です。ただし、DX推進が「標準化システム導入作業の足かせ」になってしまっては本末転倒です。
基礎が固まらないうちに上物を建てると、後から歪みが出て結局コストが増える――これはシステムの世界でも建築でも同じ原理です。
だからこそ、私はこう考えています。
「まず標準化を確実に、そして静かに終わらせる。そして次に、区民の目に見えるDXの“成果”を一気に加速させる。」
2026年以降、デジタル推進課の工数にも余裕が出てくるはずです。そのタイミングこそ、真のDX戦略のスタートです。
例えば――
・区役所の手続きをネットで完結
・申請書を書かない窓口の実装
・高齢者でも使いやすい“声で申請できる”UI
・紙文化を尊重しつつ、デジタル併用で選べる行政手続き
私は議会で、標準化とDXの“切り替え点”を意識しながら、区民の利便性につながる提案を今後も続けていきます。
最後になりますが、デジタル化が進むと言っても、私は「デジタル万能主義」ではありません。やはり、区民の中にもスマホやPCが自由自在に扱えない方は存在します。80歳を過ぎた自分の母親を見ていても、孫と連絡取りたいからと必死に高齢者版スマホに取り組んでいます。DX化で区民のサービスが向上した、区役所の業務が楽になっただけでなく、しっかりと、デジタルデバイド、デジタル機器を使えない人への配慮に取り組むことを業務設計に入れておくべきと思います。デジタルを使うかどうかは区民が選べる、その多様性こそが、人に寄り添う自治体の姿だと思っています。
「スピード感」と「丁寧さ」。この二つを両立させながら、荒川区のDXを前に進めてまいります。