あら瓦版 (大月たけひろ)

国民民主党 荒川区議会の活動について

【一般質問】システム標準化の進捗・今後のDX化への取組みについて①

お元気ですか?荒川区議の大月です。

スマホで区の手続き ChatGPTより

行政のデジタル化、いわゆる「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉がすっかり日常語になりましたが、実はその前段階として避けて通れない大工事が進行していることは、意外と知られていません。それが「システムの標準化」です。これは区の判断ではなく、国が法律で「やりなさい」と決めたもの。つまり、自治体ごとにバラバラだったシステムを、共通仕様にそろえましょうという国家プロジェクトです。

荒川区の場合、13課・18システムが対象となっており、今年度末にかけて7システムの移行を開始、残りも順次リリース予定です。とはいえ、システムの世界は「予定は未定」。ベンダー(開発事業者)が撤退したり、国の仕様が急に改定されたり、法律改正が追い打ちをかけたりと、イベントが次々と発生しています。区職員の皆さんも、サーファー」のように、次々と迫る波と戦っているのが現状です。

しかし、私はここで強く申し上げたいのです。
――
「標準システムの導入は、ゴールではなくスタートラインだ」と。

今は「標準化」という名の基礎工事の真っ只中です。ここで最も大事なのは「区民に迷惑をかけないこと」。リリース時の障害は発生する前提で構え、現場との連絡体制、即応チーム、旧システムのバックアップ稼働など、万全の備えを整えておく必要があります。

私もシステムの現場に携わった経験がありますが、テスト環境がどれだけ完璧でも、本番リリース当日は「必ず何かが起きる」のがこの世界の定番です。いざと言うときの為に、紙での受付対応、人員補充、ベンダーSEの待機体制――こうした地味だが重要なリアルな準備こそが、区民サービスを止めないための鍵となります。

一方で、最近、他の会派から「DXをもっと推進すべき」という意見も出ています。それは私も大賛成です。むしろ区民の関心は「DXで何が便利になるの?」という点にあります。ただし、DX推進が「標準化作業の足かせ」になってしまっては本末転倒です。基礎が固まらないうちに上物を建てると、後から歪みが出て結局コストが増える――これはシステムの世界でも建築でも同じ原理です。

だからこそ、私はこう考えています。

「まず標準化を確実に、そして静かに終わらせる。そして次に、区民の目に見えるDX成果を一気に加速させる。」
【続く】