お元気ですか？荒川区議の大月です。
今回は荒川区政における「スタートアップ支援」についてです。最近、区としても創業支援のメニューがだいぶ整ってきました。セミナー、ビジネスコンテスト、交流会、そして「ふらっとにっぽり」内の起業支援スペース「ツムギバ」。さらにファッションに特化した「イデタチ東京」など、荒川区が“起業のまち”として動き始めているのを感じます。下町なので、どうしても港区や渋谷区にはブランドとしては勝てません。でも、『意外と起業にいいね、荒川区』なら目指せるのではないか考えます。
とはいえ、起業の世界は簡単ではありません。起業するということは、結局のところ「自分という人間の実力が問われる」ことになります。どれだけ立派な支援が整っていても、最終的に舵を取るのは自分自身。資金をどう使うか、仲間をどう集めるか、どんな商品・サービスを生み出すか――その判断力と行動力が結果を左右します。
しかし、人間は万能ではありません。
技術に長けた人もいれば、経営に強い人もいる。話がうまい人もいれば、ミスが少ない几帳面な人もいる。逆に言えば、どんなに優れた起業家でも「自分の弱点」は必ずあります。
だからこそ大事なのは、『チーム』です。
短所を補い合える仲間を持つこと。誰かの不得意分野を、別の誰かの得意が埋めていく。そうして初めて、個人では見えなかった景色が広がっていきます。
これは企業経営だけでなく、地域の取り組みにも通じます。
私は以前、議会で「起業家と既存企業のコラボレーション」を提案しました。荒川区には、優れた職人技を持つ製造業や、代々受け継がれてきたノウハウを持つ老舗企業がたくさんあります。その“技”と、スタートアップが持つ“新しい発想”が掛け合わされれば、きっと新しい価値が生まれる。これぞ、地域発のイノベーションの形ではないかと思います。
実際に他自治体では、面白い動きも出ています。たとえば茨城県鹿嶋市では、メルカリ社が買収した鹿島アントラーズをきっかけに、地域ぐるみで起業支援の仕組みをつくっています。そこで注目を集めているのが「スポーツバーasobiya」。ただのバーではありません。店のカウンターを囲みながら、地元の起業家や転勤者、有識者が「一日店長」として集い、そこで出たアイデアが実際の事業に発展していくというのです。カボチャチップスの製造やコワーキング事業がその一例。まさに“飲みながらイノベーション”という柔らかい発想が、地域経済を動かしています。
（続く）
