お元気ですか?荒川区議の大月です。(続きです)
少し気になったこともあります。以前は区民向けに35%の割引があったのですが、現在は優先予約があるものの、実際には半年以上前の予約が必要。「思い立って、来週末に家族で行こうか」という使い方が難しいのが正直なところでした。直前でも多少区民用の枠を作るとか、もう少し工夫も必要と感じました。
視察が終わり、理事者や委員の皆さんはバスで帰路につかれましたが、「せっかく那須まで来たのだから、子供が小さかった頃によく行った“鹿の湯”に寄って帰ろう」と私はふと思い立ちました。懐かしさに駆られて一人、こっそりと足を伸ばしました。
鹿の湯は、湯治場としての歴史も古く、訪れていたのはご高齢の方々が中心でした。風情のある白濁の湯に身を沈めていると、時間がゆったりと流れていくのを感じます。政治の現場は、時に慌ただしく、せわしない日々の連続ですが、この日だけは温泉の香りに包まれながら、心も身体もほぐされるようなひとときとなりました。帰りの電車では、しっかりと硫黄の香りをまとい、バスと電車を乗り継いで帰ったのですが、隣の席の方に怪訝な顔をされないかとヒヤヒヤしました(笑)。
今回の視察を通じて思ったのは、公共施設であっても、民間のノウハウを取り入れながら上手に生まれ変わることができるという事実です。そしてそれは、利用者が増えることでしっかりと結果にもつながる。投資に見合うだけの「価値」を提供できれば、自治体としても成功の一つと言えるのではないでしょうか。
一方で、「区民のための施設」として、もっと気軽に利用できる工夫や、区民の声を反映した運営が求められるとも感じます。豪華さも大事、でも「身近さ」こそが自治体施設の使命なのではないか――そんな思いを胸に、今後の議会でもこの視点を持ち続けてまいります。
グリーンパール那須、そして鹿の湯。温泉の湯けむりの向こうに見えたのは、時代と共に変わりゆく公共施設の姿と、区民サービスでした。
荒川区がもっと暮らしやすく、そしてちょっとだけ“贅沢”も味わえる街であり続けられるよう努めてまいります。