お元気ですか?荒川区議の大月です。
先日、奥の細道の結びの地、岐阜県大垣市を訪問させていただきました。大垣といえば、かつては夜行普通列車の終着駅であり、青春18きっぷを片手に旅をした者にとっては、感慨深い場所であります。もっとも、最近は高速バスという便利なライバルが登場し、鉄道の旅も様変わりしましたね。時代の流れを感じます。
さて、「奥の細道むすびの地記念館」は、新しく立派な建物で、展示も実に興味深いものでした。芭蕉の紀行文が現代人にも分かりやすく解説されており、奥の細道の旅路はもちろんのこと、「野ざらし紀行」などの足跡も日本地図上で辿ることができました。南千住のリニューアルの際には、ぜひ参考にさせていただきたいと感じました。
質疑応答の時間には、つい好奇心から「松山市で行われている俳句甲子園を目指しているような高校は大垣市にもあるのでしょうか?」と質問させていただきました。担当者の方は、若干苦笑いをされながら「各々の高校が頑張っています」とのお答え。それ以上の追及は、大人の配慮というものでしょう。
また、大垣市では「水都大垣再生プロジェクト」という取り組みが進められているそうです。古くから良質な地下水に恵まれた大垣市。その水の都としての魅力を活かし、賑わいや特産のお菓子などを通して街を活性化しようという試みです。個人的には、担当の方にこっそり「こんなに水が綺麗で土地もあるなら、思い切って半導体工場を誘致してみるのも面白いかもしれませんね」と提案してみたのですが、こちらも苦笑いで返されました。やはり、行政の世界には色々な事情があるのでしょう。
今回の視察の主な目的は、大垣市における「奥の細道むすびの地」の発信の取り組みについて学ぶことでした。
「奥の細道」は、松尾芭蕉が元禄2年(1689年)に千住を出発し、東北・北陸を巡った旅の記録であり、道中で詠まれた俳句とともに、日本の文学史に燦然と輝く作品です。その旅の終着点が、大垣だったのですね。「蛤のふたみにわかれ行く秋ぞ」という有名な句は、まさに大垣で詠まれたものです。
大垣市では、毎年4月に「芭蕉祭」が開催され、俳句のワークショップや句会ライブ、茶会、舟下り、きもの園遊会など、芭蕉の旅の情景を偲ばせる様々なイベントが行われています。荒川区も交流都市として物産展に出店しているとのこと。来年も開催される予定です。
続きます