お元気ですか?荒川区議の大月です。
日産自動車の業績低迷は、単なる企業の栄枯盛衰の問題にとどまらず、組織のあり方についても考えさせられる出来事です。特に「指示待ち」体質が根強く残っている点は、日本企業特有の組織文化が背景にあります。
日産では、上司の指示を忠実に実行することが評価される風潮がありました。しかし、上司の指示が不合理であったり、誤った判断であっても、部下は意見を言わずに忠実に実行することが求められます。このような環境では、上司の判断ミスがそのまま組織全体の問題へと発展し、独裁的なリーダーシップが組織の硬直化を招いてしまいます。
カルロス・ゴーン氏が日産に導入したトップダウン式の構造改革は、一時的に成果を挙げましたが、その後の組織の自律性を奪い、最終的には「指示待ち」体質を助長しました。これは、政治にも似た現象で、リーダーシップの強化が時には短期間の繁栄をもたらす一方で、長期的にはその弊害が現れてくるものです。
また、この「指示待ち」体質は、イノベーションの芽を摘む要因にもなり得ます。自分で考えず、上司の指示通りに動くことに価値が置かれると、新たな発想や技術を探求しようという意識が薄れ、結果的に組織全体が時代の変化に対応しきれなくなってしまいます。特に日産の場合、北米市場における競争力の低下が顕著であり、電気自動車(EV)戦略の見直しが求められる中で、この変化に対応しきれなかったことが大きな課題とされています。
では、私たちは何を学び、どう行動すべきでしょうか。組織が独裁的なリーダーシップに頼らず、定期的に新たな視点を取り入れるためには、リーダーの交代や柔軟な意思決定の仕組みが必要です。これが実現されるのが民主主義の一つの強みであり、政治にも応用できる重要な原則です。日産の経験を教訓に、日本の政治もまた、適切なコストをかけてリーダーや政党を定期的に交代させ、健全な民主主義を保ちたいと感じています。
ちなみに、大学時代の友人で、日産のショールームで「フェアレディ」というマスコットガール(職業?)についていた方がいます。なぜか今は大田区で課長職に就いていますが、人生には驚きと出会いがつきものですね。
このような視点から、日産の問題を考えることで、日本の組織や社会のあり方についても新たな気づきを得ることができるのではないでしょうか。